事務事業評価の内容 令和6年 施策04【子ども・子育て支援】不妊・不育症支援事業費

事務事業評価

不妊・不育症支援事業費

不妊・不育症支援事業費は当初、特定不妊治療費助成事業費として、平成21年度開始された事業で、いわゆる体外受精や顕微鏡受精の費用を補助する事業でした。

今回も公開されている平成27年度の事務事業評価シートと令和6年度のものを比較して、見てきます。

令和4年4月からは、これらの費用が保険適用になったことから、現在尼崎市では、この保険適用外の治療費について7割の助成を行っています。(1回のみ)

不妊を心配する方へのペア検査(不妊ペア検査)助成事業 尼崎市 ホームページより

保険適用の拡大により、今ではこの助成事業の費用は大幅に減りましたが、そのことによって逆に、助成費用よりも、行政費用(人件費等)が、事業費全体に占める割合が大きくなっており、何度も書いてきたように、「徴収して、配る」方式の弊害が目立っている事業です。

下記は平成27年度事務事業評価シートより抜粋

当初の事業費名は「特定不妊治療費助成事業費

保険適用の拡大により助成費は減った

令和4年4月以前は不妊治療が実費負担であったことから、尼崎市は助成していました。もちろん県や国からの”補助金”が交付されており、当然のことながら、助成金に合わせて、行政費用も発生したことになります。

その状態が令和4年4月以降に改善され、不妊治療も健康保険の対象になった(基本治療のみ)ことから、この行政の無駄が一部改善されたとはいえる状態です。

厚生労働省ホームページより抜粋

下記は平成27年度事務事業評価シートより抜粋

当初の尼崎市では助成対象年齢は39歳までに限定していたが、今は保険適用範囲は43歳未満に拡大している。

なぜ助成申請数より、妊娠数を目標にしないのか

事業成果では、平成27年度の目標指標から、助成申請数をその目標にしており、令和6年度でもそれが継承された形になっています。

この事業の目的が「不妊治療の支援」であったことを考慮すれば、確かに「申請数」を目標値にすることは、間違いではないでしょう。

しかし、なぜこの事業を行うのかを考えた場合、やはり最終的には「出生数の増加」を目標にするべきです。そうであるならば、なぜこの助成によって生じた妊娠数(出生数)を目標に掲げなかったのでしょうか?

明らかに、事業を継続したいの事業目標といえます。

その証拠に令和6年度の事業成果には「普及啓発活動を行う」とあります。出生数の増加ではなく”普及啓発”だそうです。

下記は平成27年度事務事業評価シートより抜粋

平成27年度の記載でも、改善策には「知識の普及啓発」との記載があり、行政として本気で支援策を行う意思がないことが分かる

事業費の6割以上が行政費用(人件費等)

事業費を見ると、令和6年度では事業費全体の6割以上が行政費用(人件費等)です。

これでは誰の為の助成でしょうか?

先ほど書いたとおり、不妊治療の保健適用拡大によって、尼崎市に助成金を申請する件数は減少しましたが、そのことによって、現在の助成金方式では、行政費用の方が大きく、事業費が目的以外の費用に変わってしまう現実が、浮き彫りになったかたちです。

本当の意味で助成をおこなうのであれば、不妊・不育症支援控除(減税)を行い、事業目的も申請数ではなく、この控除対象者の出生数を目標値にする、大幅な改善が必要です。

マイナンバーの利用によってはそれは可能になりましたし、保険適用範囲の拡大により、本人確認も容易になったことから、すぐにでも対応できます。

何度でもいいますが、「徴収して、配る」方法では、どんな「普及啓発」を行っても無駄です。

下記は平成27年度事務事業評価シートより抜粋

 県や国からの助成金が使われており、当初から事業費の中に、見えない行政費用が発生していたことが伺える