事務事業評価の内容 令和6年 施策04【子ども・子育て支援】育児支援専門員派遣事業費

事務事業評価

育児支援専門員派遣事業費

育児支援専門員派遣事業費は平成17年度から開始された事業です。前回投稿したこんにちは赤ちゃん事業費にあった、訪問員では対処できず、ケアが必要な家庭に対して、育児専門員(助産師・保健師・看護師・保育士)を2週間に1回程度、訪問させることで、妊娠中~産後早期の育児支援を行う目的の事業です。

今回も資料が公開されていた平成27年度の事務事業評価シートと比較していきます。

事業の趣旨事態は賛成できるものですが、本来行政として対策を考えなければならないのは出生数と出生率の増加のハズです。

この事業では事業目的である「育児支援」によってその対策への成果が出たとは書かれておらず、ただこの事業を受けて「よかった・悪かった」のみを、その成果に掲げています。

ほぼすべての事業もでそうですが、この事業でも本来の事業目的から、事業を継続することのみへ、目的をすり替えており、問題への対策を行う意思が全く感じられない事業内容になっています。

やはり子育て支援や助成ではなく、妊娠減税・育児減税、そして規制改革と民需促進の税制度への改革が必要です。

民需圧迫の専門員派遣

事業内容には育児専門員の各家庭への派遣によって、養育者の心身の負担軽減や、児童虐待の早期発見・予防を行うとあり、平成27年度の資料を見ても、それらの対応は行われており、令和6年度でも事業の内容に変化はないようです。

しかし、少し俯瞰した目線でこの事業を考えると、ある意味で行政側のサービスが充実したが為に、民間業者の参入を防いている状況とも言えます。

この本来妊娠中~産後早期の育児であれば、各病院・診療所の小児科・小児内科が、それぞれ独自のサービスを提供することで、公正な価格競争や、差別化が起こり、育児専門員と言われる方々の、給与水準を押し上げる状況ができるハズです。

しかし、日本では規制と行政サービスによって、ある意味で「官が提供する最低限のサービス」しか、選択肢がない状態です。

今まで投稿してきた事業がそうですが、この事業でもこのある意味で「既得権益」と言える、いや完全に既得権益が保たれており、合法的に「税金が吸える」、「公金チューチュー」の状態だということです。

下記は平成27年度の事務事業評価シートからの抜粋

事業内容は令和6年度と比較しても、変化はない

子育てに自信がない⇒事業を利用してよかった割合

事業成果には冒頭で書いた通り、この事業を受けて「よかった」と回答した割合を、目標指標にしており、事業目的である「育児支援」によって出生数と出生率の増加にどれほど効果があったのかについての検証はありません。

平成27年度では「子育てに自信がない母親の減少」です。それに比べればまだ「改善」したとはいえるでしょうが・・・・

決して「育児支援」が無駄とは言いませんが、せめて何を目標にして、最終的にどうなりたいのか、それぐらい公開してほしいものです。

また平成27年度の事業成果の最後には、やはり他の事業と、事業内容で行われるサービスの重複が指摘されています。ここでは産後のヘルパー訪問サービスが社会福祉協議会のサービスと重複していたようです。しかし現在はこのサービスは尼崎市が行うことで、決着が付いたようです。

参考 産後ケア事業 実施事業者のみなさまへ  尼崎市

これも民需ではないですが、他の団体の業務を圧迫したともいえることであり、社会福祉協議会ではなく、民間の医療機関や病院からすれば、完全な規制や社会制度上の参入障壁です。

このような参入障壁となる規制や制度を改革していることは、自治体だけでは難しいです。しかしまずはこのような状態であることを知っていくことが重要です。

下記は平成27年度の事務事業評価シートからの抜粋

平成27年度でも、尼崎市社会福祉協議会が実施するサービスと、事業内容が重なる点が指摘されていた。ちなみにこの社会福祉協議会にも尼崎市から補助金を交付している

 参照 尼崎市社会福祉協議会補助金

増える事業費、減る出生数

事業費を見ると、令和6年度では派遣される専門員への派遣費用よりも、行政職員ヘの人件費の方が高く、約2倍です。平成27年度と比較すると、派遣費用に変化はないももの、行政職員への費用だけが増加しています。数字からではなぜ人件費がこれほど膨らんだのはわかりませんが、事業目的である「育児支援」を担っている専門員の派遣費用より、行政側の人件費の方が大きいのでは、事業として十分に市民にサービスされているとは言えないでしょう。

ちなみに尼崎市では産後ケア事業を行う、委託業者の募集を公開していましたので、下記に張って置きます。見てみ頂きたいのは、訪問型のケアの費用です。

委託費用が5,000円/時間(交通費込)です、そこから当然業者の取り分があり、授業員の支給になっていきますから、実施はこの3分の1以下ぐらいが、専門員の時給でしょう。

専門員の方々の責任ではなく、このような決して高くない給与では、高品質な「育児支援」ではなく、「最低限度の育児支援」しかできないでしょう。

これが社会制度上・法律上そして規制上で既得権益が保たれており、合法的に「税金が吸える」、「公金チューチュー」の状態だということです。

何度も書きますが、これを改善するには、減税・規制改革と民需促進の税制度への改革が必要です。

下記は尼崎市の産後ケア事業の委託事業者の募集要項から抜粋 

 下記の金額を委託業者は、尼崎市に請求でるとあるが、実際の業務に当たる従業員(助産師・保健師・看護師・保育士)への支払いは、当然のことながら更に低くなる

 参考ページ  産後ケア事業 実施事業者のみなさまへ

下記は平成27年度の事務事業評価シートからの抜粋

 令和6年度に比べても、育児支援専門員の派遣費用はあまり増えていない。それにも関わらず、全体の事業費が、令和6年度では成27年度より増えているのは、所員への人件費が増えたから。