市立幼稚園一時預かり事業費

今回は学校関係事業の中で、国の子ども・子育て支援法に基づく事業についてです。
市立幼稚園一時預かり事業費は平成27年度から開始された事業で、文字通り市立の幼稚園にて、教育時間外に園児を預かる事業です。いまや現役世代は、共働き家庭がほとんどを占める時代です。その中で子育てのしやすさは、生活圏に子どもを預けられる場所の有無が、大きく関係してくる状況です。
この事業自体は効果的に機能していると思います。実際に一時預かりを利用する人数も増えてきており、他の自治体市民(特に現役の子育て世帯)の定着を誘致するという観点と、現在の尼崎市内の子供たちも、尼崎市に残って子育てをしてもらうという、2つの観点でこの事業を発展していければ、市民の増加=納税者の増加にもつながる可能性を秘めた事業と思います。

子育て支援以上の目的で
この事業は、現状ではあくまでも「子育て支援」が目的の事業です。しかし、先ほども書いたとおり、うまくこの事業を発展させたり、他の事業と組み合わせることで、他の自治体市民の誘致や、現在尼崎市内に住む子供たちが、将来も尼崎市内に定住し続けることを後押しする事業になる可能性があります。
その観点からも、子育て支援以上の目的「将来の市民増」を掲げてほしいものです。

出生数からみればどうか
この事業を利用している園児の数は、令和5年度で13,653人
尼崎市の人口データから0~4歳までの男女の数を調べると、2024年(令和6)3月のデータでは下記の値でした。0~4歳児 合計 16,370人

このデータから見て、尼崎市に住む0~4歳児の半数以上が利用していることになります。実際には重複して利用した人数も、カウントされているとは思いますが、事業としては市民のニーズが高い事業とはいえると思います。
実際に尼崎市の尼崎市就学前教育ビジョンには、0~5歳児の就学前児童の数自体は、減少していくものの、保育需要は、共働き家庭の増加により、逆に増加していくと予想しています。それを踏まえて、尼崎市でも今後、この事業内容も改善していくと、事業成果には記載されています。
しかしながら、尼崎市の出生数自体は増加しているわけではなく、他の自治体からの移住による「社会増」によって、人口の減少は抑制させているのが現状のようです。


減税措置や、奨学金対象者優遇を組み合わせては
この事業には国(こども家庭庁)から交付金が使われています。
何かと非難されるこども家庭庁ですが、実際には有効な施策を実施できるかは、各自治体の努力次第であり、我々市民ができるのはちゃんと、税金が有効に効果的に使われているか、監視しておくことです。そのためにも、お住まいの自治体の事務事業評価をぜひ、調べてみてほしいです。
話を戻して、この市立幼稚園一時預かり事業費ですが、他の事業にあった大学生奨学金の対象になった子どもたちが、将来子育てする際には、減税措置や優先して一時預かりできる制度・幼稚園の優先入園制度を設けてはどうでしょうか。
あとは他の自治体からの移住家庭にも、一時預かりを利用することで減税措置が受けられるようにするなどです。
これによって、他の自治体市民(特に現役の子育て世帯)の誘致と、現在の尼崎市内に住む子供たちも、尼崎市に残って子育てをしてもらう。以前も書きましたが、こうすることで、高学歴であり、将来高所得者になる可能性が高い子どもたちを、早いうちから囲い込むことができると思います。
尼崎市はその立地上、阪神間に存在する企業に勤める人たちの、ベットタウンになってきました。その立地を最大限に利用して、市民増=納税者の増加を目指す、その可能性を高めるためにも、うまく事業・制度を組み合わせて改善してほしいものです。


