事務事業評価の内容 令和6年 施策03 【学校教育】療養児等学習支援事業費

事務事業評価

療養児等学習支援事業費

今回も学校教育関係の事業についてです。療養中の子供たちを対象に、タブレットを貸出して、学習環境を提供する、療養児等学習支援事業費です。令和3年度から開始の事業です。

尼崎市では令和4年度から、文部科学省が推進する『GIGAスクール構想』を受けて、高等学校に入学した生徒にPC端末を配布していますが、それに先駆けて、療養中の子供たちにタブレットの配布したのは、先進的であると思います。今後このような学習環境が定着していけば、前回の教職員研修事業費で取り上げたような、教職員たちが求めている、職場環境の改善にも繋がる可能性がある事業だと思います。

箱にこだわるな

この事業では先ほども書いた通り、病気療養中の子供たちへ、「学校に通学できない」から、タブレットを貸出しています。ここでも感じるのが、やはり「学校という箱」にこだわっている、教育委員会や行政担当者の姿勢や考え方・意識です。

学校でやる勉強は人生のほんの一部

人生100年時代と言われる今の社会環境において、学校で勉強する時間は人生の1割程度です。ほとんどの時間は社会に出てからのものであり、ましてや学校で教わった知識は、社会に出れば古いものになっている可能性が高い。そんな社会環境を生き抜いていかなければいけないのが、これからの子供たちです。そんな子供たちに対して、いまだに「学校という箱」に囚われて学習させることが、本当に子供たちの為になっているのでしょうか。

タブレットを貸出して学習するというこの事業が、そんな古い学習環境に囚われている大人の目を、開かせるキッカケになってもらいたいと思います。

利益誤認表示は改めよう

この事業の最後に、やはり問題と思う点を一つ上げれば、利益誤認表示は改めるべきといことです。

先ほど述べた、高等学校に入学した生徒にPC端末を配布していますが、「配布する端末費用は無料」と記載されている箇所についてです。おそらくこの事業でも同様にタブレットは無料で貸出されていると思いますが、ちゃんと「ただし、端末費用と通信費は皆様の税金です」という、正しい情報を記載するべきです。

その点を除けば、現状ではこの事業は十分先進的ではあると思います。今後このような学習環境が定着していけば、前回の教職員研修事業費で取り上げたような、教職員たちが求めている、職場環境の改善にも繋がる可能性がある事業だと思います。