事務事業評価の内容 令和6年 施策03 【学校教育】尼崎高等学校特色づくり推進事業費

事務事業評価

尼崎高等学校特色づくり推進事業費

今回も学校教育関係の事業についてです。尼崎高等学校特色づくり推進事業費は、平成25年度から開始された事業です。”特色づくり”とはいいながら、実施されている内容を見ると、進路指導講座開催、外部講師を招聘しての体育講座開催、民間企業に委託しての英語授業の開催と、まったく”特色”とは関係がない事業内容です。

しかもこの民間企業ですが、文部科学省から公金の注入を受けており、”民間”とは言えないのではないかと思われる企業でした。

そしてこの事業成果には、まったく評価する意思が感じあれない内容であり、ただ税金を使うことが目的と思われるような事業です。

文部科学省の公金が入った企業へ、業務委託

この事業目的には、最後に「地域に開かれた学校づくりを進める」とあり、それが”特色づくり”なのかとは思いましたが、実施内容を見ていくと、結局講習会や英語教室の開催であり、そこで招かれる講師も、連携協定を結んだ大学から招かれたり、委託した民間企業によって英語教室を開催しているとあります。

ここでこの委託の民会企業については、尼崎市のホームページに公開されていました。

令和6年度国際総合類型充実事業業務委託に係る公募型プロポーザルによる選定の結果

ここで公開されていた、株式会社アイエスエイについてですが、文部科学省から公金が入っており、本当に「民間」企業なのか、疑問に思う会社です。

JUDGIT! 検索結果 株式会社アイエスエイ

小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業

政府から税金が入った会社に、また尼崎市から業務委託金として税金を支払う。うまく税金回収の仕組みが出来上がっているという印象です。

受験生の数は?進学率は?

問題の事業成果についてですが、この事業でも「成果指標及び活動指標の設定は困難」とあります。

事業開始の平成25年から約13年以上経過して、なん成果も示すことができない。

事業成果の最後にある、「中学生からえらばれる」・「広大連携事業や地域連事業を実施する」というのであれば、せめて受験生の数や、連携大学への進学率ぐらいは公開すべきでしょう。

そんなことすら、行う意思がないことからも、とても事業目的にあるような内容を、本気で達成する気がないことがわかります。

結局余った税金を使うことが目的ではないか

この事業費を見ると、「国際総合類型充実事業等委託料」がもっと高くなっており、これは先ほど書いた、委託先の”いわゆる民間”企業への委託料です。

先ほども書きましたが、この事業の事務事業評価を見た印象は、ただ余った税金を使うことが目的と思われるような事業であり、うまく具合に税金を回収する仕組みが作られているな、と皮肉にも感心してしまいます。この事業費を、英語教室に参加してくれた高校生たちに、海外留学や奨学金として配っていれば、どれだけの「生きる力」がついたのか、この事業に携わる所員には想像もできないでしょう。