少年補導活動事業費

少年補導活動事業費は昭和40年度開始の事業です。少年の補導を行う、各地域を担当する補導委員の活動費を、この事業費で賄っており、阪神南3市(尼崎市・西宮市・芦屋市)合同の補導研修会や、公用車(愛護パトロール車)の費用等もこれに含まれています。
前回投稿した青少年健全育成啓発事業費と同様に、近年の非行少年の動向を示す資料からは、あまり効果がある事業の内容は行われているとは言えない状態のようです。

活動は基本月4回
尼崎市の少年補導委員のホームページを見ると、基本的に活動は月4回とあります。地域の警察やときには、兵庫県警・他の自治体と連携して一斉補導等も行っているようです。
また市では2カ月に1度、機関誌「なでしこ」の発行も行っており、その中で各地域の活動内容も報告されています。その内容をみると、やはり少子・高齢化によってあまり内容のある活動ができていない地域や、子供会の延長のような活動内容を行う地域もあり、本来の目的である「青少年の非行防止」に、効果的な活動が行えているとは言えない状況のようです。


増加する薬物乱用と、犯罪の低年齢化
事業成果には、少年補導委員の確保が難しくなってきている状況が報告されています。それでも、事業を継続する為に、少年補導委員が効果的に活動するよう(決して青少年の非行防止が目的とは書かれない)、事業内容の見直しを図るとあります。
兵庫県警の資料によると、少年犯罪の低年齢化と、薬物乱用の増加が報告されており、本来であれば、これらの防止のための学校教育や制度設計に事業費をかけるべきではないでしょうか?
そんな現状認識すらできていない中で、よく「青少年の非行防止のため」の事業を、少年補導委員の活動継続のために維持すると書いているわけです。
おそらくこれが、尼崎市教育委員会や行政側が目指す、「協働・協力」の関係なのでしょう。

下記は兵庫県警が令和6年8月に作成した資料
少 年 の 非 行 防 止 と 健 全 育 成 に 向 け た 総 合 対 策 の 推 進 に つ い て

公用車で児童を送り迎えしたら?
この事業費を見ると、「公用車リース料・修繕費・ガソリン代」とあり、おそらく少年補導委員の移動手段や、巡回パトロールに使用されているのでしょうが、なぜこの費用や車両を以前投稿した、市立幼稚園通園対策事業費・スクールバス運転業務委託等事業費に使わないのでしょうか。
個人的には、以前の投稿で書いたとおり、学校の「箱」に囚われる姿勢を是正したり、ライドシェア解禁・民間車両の活用を進めるべきだとは思います。
しかし公用車があるのなら、うまく活用して費用削減させればいいと思います。どうせ月4回しか使わない公用車であれば、なおさら有効に活用すべきでしょう。それこそ協働と協力・地域共生のために。
この事業も廃止して、その分減税すべきとは思います。
しかし、どうしても継続したいと主張するのであれば、せめて今後ますますなり手が少なくなっていく少年補導委員に頼る事業ではなく、少年補導委員の体制自体を廃止することで、浮いた事業費を上記の事業に投入したり、現在増加中の薬物教育に事業費をかけるべきではないでしょうか。

尼崎市ホームページより
愛護パトロール車両

