事務事業評価の内容 令和6年 施策01【地域コミュニティ・学び】ふれあいスポーツ推進事業費

事務事業評価

ふれあいスポーツ推進事業費

今回もスポーツ関連事業です。今回はふれあいスポーツ推進事業費です、平成12年度から開始した事業です。事業内を見ましたが、はじめからはっきり言ってしまえば『税金を使って民需を圧迫した』だけの事業です。また事業目的にあるスポーツ推進を図って市民の体力向上や健康の保持増進をはかるといいながら、その意思が全くない事業内容です。

民需圧迫のトレーニング設備

尼崎市の中心にある総合体育館『記念公園ベイコム総合体育館』にトレーニングマシンを設置して、しかも外部委託の指導員まで導入したとあります。確かに安い価格でトレーニング設備を使用できるのは市民にとってはメリットでしょうが、民間会社のトレーニングジムからすれば完全にお客を奪われることになるため、民需圧迫・営業妨害の行為でしょう。さらにこの民間会社は法人税を払ってくれる存在でもあります。たしかに尼崎市民のためにはいいことなのでしょうか、後述する現状をみていただけでば当然タダではないことが理解できます。

目標には損益分岐点の記載なし

新たな設備を導入してどれだけの利用者数が増えて、民間でいう損益分岐点(どのくらい売上を上げれば赤字にならないのかを簡単に把握できるようにしてくれる数字)の記載はありません。当然役所仕事ですので損益分岐点の考え方自体を理解していないのだと思います。(理解していても記載していない可能性が高いですが・・)この事業で事業費Aにと記載されているトレーニング指導等業務委託料とトレーニング機器のリース料等を足した金額は令和6年度で35,826,000円。
ベイコム総合体育館のホームページから仮に利用料1回400円として計算すると、
目標値103,916人X400円=41,566,400円
令和5年度の実績数 71,717人X400円=28,686,800円

この数字だけを見ると悪くない利益を出しており、事業評価の内容通り継続していけるのではと思われますが、実際には1か月の利用券などもありますので、単純に利用者数のみを目標数にすること自体が正しいとは思えない事業評価です。

地区体育館の冷房設備が先では

尼崎市内の体育館はこの総合体育館のほかに6つの地区体育館があります。総合体育館はその名のとおり大きな設備であるが故に小さな団体や市民グループが使うには敷居が高く、市民がより使用しやすいのはこの地区体育館になっているのが現状です。この事業では市民の体力向上や健康の保持増進をはかるといいながらその地区体育館の冷房設備を充実させることは行っています。現状体育館の冷房設備がばい地区体育館では熱中症警戒アラートが出された場合は使用できません。本当に市民の体力向上や健康の保持増進をはかのが目的というのであればこれらの地区体育館への冷房設備の導入こそ先に実施するべきでしょう。

使いにくい予約システム

最後に実際にこれらの体育館を予約するための予約システムについてです。これらを使用されるためには個人・団体問わず一度体育館の窓口に行きシステム予約の為のID登録をする必要があります。筆者もこの登録をする為にまずベイコム総合体育館に伺ったのですが、なんとそこではベイコム総合体育館のIDと他の6つの地区体育館とのIDは別であり、地区体育館の予約をしたければ別途6つある地区体育館のいずれかでID登録を申請してくれと言われたのです。(2025年6月現在)
窓口への申請登録もそうですが、同じ市内の設備で、しかも同じ画面・システムを使用しながらこの状態です。これでは障がい者や高齢の方々には難しいのではないでしょいうか?

このように事業の目的と実施の事業内容が明らかに乖離しているのと、もっと費用をかけるべき設備に費用をかけられていないことからこの事業は事業目的にあるスポーツ推進を図って市民の体力向上や健康の保持増進をはかる意思が全くない事業内容と言わざるを得ません。