事務事業評価の内容 令和6年 施策02 【人権尊重・多文化共生】男女共同参画社会づくり関係事業費

事務事業評価

男女共同参画社会づくり関係事業費

今回も人権関連事業のなかの男女共同参画社会づくり関係事業費です。平成14年度から開始されており、目的には5年毎に『男女共同参画計画』なるものを策定して、男女共同参画社会を目指すとあります。一見するとソビエト連邦のような計画社会政策のような内容です。掲げられている理念には賛同しますが、果たしてその事業実態が目標としている社会の実現に寄与しているのかどうか見ていきます。

そもそも計画完了の定義は?

そもそもの疑問はこの事業で目指すべき社会の定義が明記されていないことです。第4次尼崎市男女共同参画計画では「ジェンダー平等な社会を実現しよう」と謳っています。しかしどのような住民意識や指標・データを調べてこの値になったらこの計画でいうところの男女共同参画社会になるというようなゴールが設定されていません。なにより問題なのはこの目指すべき社会の定義がない状態ではどこに計画を向けるのかもあいまいになりかねません

市民の意識がゴールなのか?

この事業の目標指標では「男は仕事、女は家事・育児」という考えに不同意の市民の割合を記載してその割合が80%を達成目標とするとあります。果たしてそれらが達成したことが男女共同参画社会なのでしょうか?確かにここで記載されているDV支援や防止のネットワーク作りは重要であり、意義は大きいと思います。であればこそなぜ、市民の意識改革だけをゴールにしたのでしょうか。

まずは目指すゴールを明確にすべき

男女の経済格差や、貧困、暴力の問題は簡単には解決することは難しいことです。それを市を挙げて取り組むというのであれば、当然役所の事業だけでは解決することはできないでしょう。今のようなどこかの計画経済方式ではなく、本当に市民が共通の目的をもって取り組めるようにするべきでしょう。その為にはまず尼崎市としてどのような社会が男女共同参画社会なのかを尼崎市議会を中心にして、定義するべきであり、その議論を行っていくことが最初でしょう。目指すべきゴールも不明の状態でこのような事業を継続するべきではないと思います。ましてや平成14年度から開始しているのに、そのゴールの定義すら明確にできていない事業は即刻廃止すべきはないでしょうか。