事務事業評価の内容 令和6年 施策03 【学校教育】小学校給食関係事業費

事務事業評価

小学校給食関係事業費

今回からは教育学校の中の、給食に関する事業になります。今回の投稿は昭和22年度から実施されている小学校の給食に関する事業、小学校給食関係事業費についてです。

この事業は事業名からして、尼崎市内の公立小学校への給食配布に関する事業ですが、内容を見ていくとなぜか、個人的には福祉関係にすべき費用が含めれていました。またこの事業でもそうですが、目的に合致した目標指標とはなっておらず、またしても目的が曖昧な状態で、気づけば事業費が増える「余白」をうまく作っている印象を感じた事業です。

健全な発達に寄与

事業の目的には『中略~健全な発達に寄与する』と書かれており、実施内容を見ても、献立作成・給食従事者への検便検査・衛生管理意識向上の研修会・食材検査の実施などがあります。

この事業内容からは、目的に合致したものだと思われるでしょう。

なぜか牛乳パック回収

しかし、事業の目標指標では『給食の食中毒発生件数0』を目標値にしています。

確かに食中毒の発生は、子供たちにとって命にかかわる場合もあります。しかし先ほどの目的に合致しているといえるでしょうか?。

せめて給食で提供できた接収カロリーを数値化して、その達成率を目標するなどしないと、心身の発達に寄与したとは言えないのではないかと思います。

そして不思議なのが、なぜか給食関係事業費なのに、牛乳パック回収が出てくるところです。

この牛乳パック回収についてですが、ネットで調べた情報では、社会福祉法人みんなの労働文化センターというところが、尼崎パックルネットというリサイクル団体を通じて、市内で牛乳パックの回収を行っているようです。

この社会福祉法人みんなの労働文化センターの公開情報を見る限り、知的障がい者の支援事業として行っているようです。

事業を混ぜて予算調整する

先ほど給食関係の事業なのに、牛乳パックの回収が含まれていると書きました。それは事業費の項目でも記載されており、回収委託料やリサイクルに係る消耗品という名目で、少なくともこの事業目的とは関係がない費用が、事業費に含まれています。

これは別々の事業費の中に、それぞれの費用を含ませることで、全体の事業費(予算)を調整する為に役所がよく行う行為です。これ自体は尼崎市に限らず、どの行政機関も行うことです。

ただ今回のような事業とは直接関係がないと思われる費用を、わざと含ませていることは、予算に余裕・又は過不足があったことの表れであり、正確に費用を見積できていない証明でもあります。

そして場合によっては今後この事業は、福祉関係予算の調整や、昨今の物価高騰による予算調整の為の「余白」として使われることを意味しています。

皮肉なことに今回のように、本来子供たちの『中略~健全な発達に寄与する』ことを目的とした事業において、このような行為が行われていることは、目指す人物像にある、お互いに支え合う社会を築くことができる人間、を育てるためだとすれば、大変考え抜かれた事業といえるでしょう。