母子健康手帳作成事業費
母子健康手帳作成事業費は昭和28年度から開始された事業であり、母子手帳の制度自体は、我が国の乳幼児死亡率と出産時の母子の健康を守るうえで、おおいに効果があった制度です。
ただどんな制度も、人間の寿命と同じく、時代と共に劣化していくものであり、この母子手帳制度も、今後は時代の変化に合わせて改善・見直しが必要だということを知って頂きたいです。
もちろんこの事業以外でも、すべての事業で見直し・廃止・改善は必要ですが・・・

母子手帳の交付からわかる、出生数の減少
妊娠11週以内に申請することで、交付される母子健康手帳ですが、その目的である子育て支援の効果にいつてはここでは省きますが、その目的と効果については疑うことはないものです。
しかし残念ながら、出生数の減少を止めることはできていないのが現状です。
下記に令和6年度の事務事業評価シートからの抜粋と、平成27年度の事務事業評価シートから抜粋したものを掲示しました。これらを比較すると、平成24~26年度は4,600~4,300件台だった手帳の交付数は、令和3~5年では3,400~3,600件台に減少しています。
この資料からは、「子育て支援」に関してだけで見ても、少なくとも約10年で、尼崎市の施策・国の政策が、出生数の増加にはまったく効果がなかったことを証明しています。

平成27年度の事務事業評価シートから抜粋

妊娠届出数より、妊娠届出率の理由は
事業成果には、妊娠11週以内に申請することで交付してもらえる、母子健康手帳の交付率を上げるために、目標指標は「妊娠11週以内の妊娠届出率」になっています。
なぜ妊娠届出数を目標にしないのでしょうか。確かにこの事業単体で見れば、母子健康手帳の交付による「子育て支援」を対象にしているのことから、交付率を意識しての結果とは思います。
しかし、「母子健康手帳の交付は手段」であって、最終目的は「出生数の増加・改善」であるべきです。少なくともそれを目標に掲げることで、手帳の内容も、それに付随するサービスなども「出生数の増加・改善」に対して、効果が期待できるものに変更したり、改善したりする動機付けにはなるハズです。
それすらしないのは、本気で出生数の減少や、少子高齢化社会を改善する意思がないことを証明したということです。

事業費の行政費用だけが増加
事業費を見ると、平成27年度の事業費から比べて、事業費総額は約2倍になっています。しかし、その内容を見ると、倍増したのは行政費用(人件費等)です。
電子母子手帳の導入を開始するなど、今後この人件費の減少を希望させる取り組みも開始されてはいますが、先ほど書いた健康手帳の交付数の減少から考えれば、不自然な増加と言えます。
そしてこの事業にも、「重層的支援体制整備事業交付金」という交付金が投入されています。
何度も繰り返しますが「交付金は本来取り過ぎた税金」です。
人件費だけが焼け太りして、肝心の手帳の交付は減り、出生数は改善せず、おまけに交付金というなの、血税を投入している。これが現状の「母子健康手帳」です。
このままでは、母子不健康手帳事業となってしまいます。
ほとんどの家庭が求めることは、「経済的支援」であることから考えれば、この母子健康手帳に一定の成果があったことは認めるので、電子化や民間委託化を含めた、手帳事業の根本的な見直しや、「子育て減税」を行って、今のような人件費だけが膨れ上がった状態を改めていくべきです。

令和6年度の事務事業評価シートから抜粋

平成27年度の事務事業評価シートから抜粋

