保育の質の向上事業費
保育の質の向上事業費は平成22年度から開始された事業で、当初は保育所の質の向上事業費という名前でした。
名前のとおり、保育所の質向上の為、専門研修やいわゆる潜在保育士への再就職支援・研修の実施を行う事業です。
潜在保育士:保育士の資格は保有しているが、就業していない人材のこと
事業を約10年以上継続しているのに、一向に改善していない出生数と、0~14歳の人口を平成27年度と令和7年度で比較しても、明らかに改善されていないことからもわかるとおり、この事業も全く成果がでていない事業です。しかしこの後見ていきますが、事業費だけが増加しており、もはや保育の質ではなく、ただ血税を吸うだけの事業と成り下がっており、当初の目的であった「保育の質」は投げ捨てられた状態です。
このままでは、永遠に現場の保育士の時間だけを奪い、血税だけを吸いつくす事業になってしまいますので、一刻も早く廃止するべきです。
保育の質向上のためというのであれば、保育士の講習を義務ではなく、保育所や保育士自身の免税措置(可処分所得増加)の為の必要条件に変える体制に制度を見直すべきです。
そして「余った税金である」交付金・補助金を廃止して、保育所を利用する家庭への減税措置へと切り替えすことが必要です。


そもそも「保育の質」ってなに?
そもそもの疑問として、この事業の目的である保育の質向上ですが、「保育の質」とは何を意味するのしょうか?
その定義が知りたくて、尼崎市の資料を調べてみましたが、どこにもそれらしい情報や資料はありませんでした。だれか知っていたらご連絡ください。
目的である「保育の質」が曖昧な状態でどのようにして、事業成果を測れると考えたのでしょうか?いや成果が目的ではなく、ただ「やったふり」、「できたフリ」がしたかっただけではないでしょうか?
先ほどの0~14歳の人口数から考えれば、保育の質が向上しているのであれば、この年齢の子供たちを持つ家庭が増加しているハズであり、その結果この年齢の人口が増加してると考えるのが妥当でしょう。しかし現実は増えるどころか、減少していますので、この事業の目的である「保育の質」の向上には効果がないこと言えます。

下記は平成27年度の事務事業評価シート
当初は保育所職員を対象にした研修を行っていたが、人材確保と研修への参加人数確保が難しくなったので、潜在保育士や私立の保育士も事業の対象に含められる形になっていったと思われる。


ずっと求人がある保育士
事業成果を見ると、平成27年度では講習会の開催数を目標指標していましたが、令和6年度では、さすがにまずい思ったのか、講習に参加した職員の人数になっています。
しかし、講習を受けた職員の感想や、具体的に「保育の質」に対してどのような効果が表れて、実際の保育現場の改善につながったのかなどの、効果に関する資料の公開はありません。
そして気になるのが、尼崎市で募集されている保育士の求人です、下記には転職・求人サイトのindeed(インディード)で検索した「保育士」の給与についての検索画面を掲載しています。
これを見ると、「尼崎市 保育士」の求人はずっと募集しているようです。
「保育の質」が向上したというのであれば、少なくとも常時求人を募集する必要がない状態ではあるはずでしょう。それは「保育の質」の中には保育士の待遇改善や、就業環境の整備、給与条件の改善も含まれているべきと思うからです。それを端的に表すと考えられるのが、求人数です。
常に求人しているということは、常に人手不足であり、人手が不足するということは、待遇や就業環境・給与が悪いということを表しているからです。
このことからも、事業の目的である「保育の質」は向上できていない、10年以上かけても一向に「保育の質」は向上できていないことが分かります。

転職・求人サイトのindeed(インディード)より
給与水準は神戸市中央区より低い(令和8年2月現在)

35倍以上に拡大した事業費
そして、早くこの事業を廃止するべきだと思う理由が、事業費にあります。さきほどから繰り返しているように、効果がでていないのに、事業費だけは平成27年度と比較しても約35倍以上に増加しています。
繰り返しますが、0~14歳の人口はその間に約13%減少しているのにです。
そして当然のように配られる補助金の額も、約10倍に増額されています。
確かに参加した保育士の人数が増えて、研修時間も給与を払わないといけない為、研修の数=人件費になるのは理解できます。しかし、定義が曖昧な「保育の質」を向上させるために、若年層の人口数の改善には効果がないと証明された事業を継続する、これが血税の無駄と言わずして、なんというのでしょうか?
何度も繰り返しますが、「補助金・交付金は余った税金」です。本来政府が取り過ぎているので、各自治体や県に、交付金として、お題目を決めて、配っている我々の血税なのです。
こんな目的自体もあいまいな内容で、若年層の増加にも効果がない事業は、一刻も早く廃止するべきです。
保育の質向上のためというのであれば、保育士の講習を義務ではなく、保育所や保育士自身の免税措置(可処分所得増加)の為の必要条件に変える体制に制度を見直すべきです。
そして「余った税金である」交付金・補助金を廃止して、保育所を利用する家庭への減税措置へと切り替えすことが必要です。
そして何よりも、目的を「若年層の人口増加・改善」に絞って、その効果を絶えず調査し、検証を加えていく、そのような健全な事業に変更するべきです。

下記は平成27年度の事務事業評価シート
平成27年度の事業費は1,924千円、それに対して令和6年度では68,374千円であり、約35倍以上に事業費が増加している。
しかし、0~14歳児の人口は先ほども書いたとおり、約13%減少している。

