事務事業評価の内容 令和6年 施策03 【学校教育】学校安全関係事業費

事務事業評価

学校安全関係事業費

学校安全関係事業費は平成15年度から開始された事業です。これは昭和33年度施行の学校保健安全法に基づいて実施されている事業です。

この学校保健安全法には、学校の環境衛生、職員・児童生徒の健康診断、感染症の予防、学校医等の職務について、国の補助、安全点検等の学校に関する保険・衛生関係について実施する内容が書かれています。

e-gov 法令検索 学校保健安全法施行規則

ただここで疑問なのは、この事業もそうですが、この事業の根拠となっている法律でも、戦災についての対策や設備がこの事業には含まれていないということです。

不審者のみを想定した対策

事業の目的には「不審者の侵入など」を未然に防ぐとあり、この事業で考える”安全”が不審者の侵入をを想定した対策を実施していることがわかります。

確かに不審者による児童・教員の殺傷事件は記憶に新しいところですが、本来この事業の根拠になった学校保健安全法では、感性症の予防や学校医の勤務についても規定されていることから、”安全”の中に感染症の予防や拡散防止対策を含めてもおいてもおかしくはないと思います。

NHKアーカイブ 大阪池田小 児童殺傷事件

しかしもっと大きな問題と思うのは、戦災についての対策がないことです。

先の大戦では、兵庫県・大阪府の工業地帯を中心に空襲の被害を受けました。そのことから、現在でも工業地帯があるこの尼崎市では、日本が戦争になった場合、相手国の攻撃の対象になる可能性が高いことは容易に想像できます。

総務省HPより 尼崎市における戦災の状況(兵庫県)

それなのになぜ”安全”対策の中に、戦争被害、具体的に言えば空爆や爆撃を想定した対策が取られていないのでしょうか。

不審者より、戦闘中に拉致する軍隊への対策は

確かに大阪池田小の事件は、痛ましい事件でしたし、不審者への対策は今後も必要だとは思います。

しかし、戦時になればもっと露骨に、武装した軍人が列をなして、子どもや女性を拉致・誘拐してくることは想像できます。特に我が国は平時でも国家ぐるみで誘拐するような国や、終戦のどさくさに紛れて降伏した軍人を誘拐して、強制的に働かせるような国を周辺国に持っています。

今の学校の設備や体制だけで、戦時の児童や教員の命を守ることはできないでしょう。

ましてやそのような事態(戦時の対策)すら、この事業には(おそらくどの尼崎市の事業にも)想定されていない、そのことが一番問題です。

住民保護は自治体の責任

現在の国民保護法(正式名:武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)では、自治体住民の避難誘導は、各自治体の責任になっています。

つまり、住民を安全に避難誘導する、保護する責任は各自治体にあるということです。

e-gov 法令検索:武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律

当然、戦時になれば、兵庫県にある自衛隊基地から、自衛官の応援は得られるとは思いますが、保護の責任が自治体にある以上、住民を安全に保護できる設備の建設・維持管理は自治体側が行わなければならないのです。

防衛省 武力攻撃事態における国民保護:自衛隊と自治体との連携の可能性

もちろんすぐには不可能でしょうが、まずは”戦時”の安全も考慮にいれるところから始めてほしいです。