授業力向上推進事業費

今回も教育関連事業です。令和元年度からと比較的新しい事業である授業力向上推進事業費です。生徒の為というよりは、生徒を指導する側である教員の方々への講習会や研修会の実施が目的の事業です。
著者としては教員経験はありませんが、、結局のところ教員の授業の質を高められるのは、各教員次第であり、その質向上のための最大のサポートは”報酬”(ここでは給与や待遇改善・昇進等)を与える以外にはないと考えています。
確かにすべての教員が一定の水準にまで、授業の質を高める必要があることは理解できます。しかしながら教員も人間である以上、使命感には限界があるのは事実でしょう。過度な税金を費やして教員の講習やデータ収集を行うよりも、生徒の学力調査結果によって、教員の給与や昇進を進めれば、自然と授業の質も高まると思います。
その際の注意点は、何をもって”学力”とするのかを「目指すべき人物像」に沿って提示することです。世間的な5教科の成績以上にこの「目指すべき人物像」に沿った学力が高まっているのかを、試験結果に反映することができるようにする、この作業が尼崎市の教育委員会が取り組むべき課題だと思います。

他の教育関連事業との関りは不明
この事業、以前投稿した学びと育ち研究所運営事業費との関わりは記載されておりません。教員への事業内容だからでしょうか。実施内容には指導主事という方が年間数回だけ授業を視察して、指導・改善をするとあります。著者自身は教員経験はありませんが、授業は生徒と教員の人間関係に基づいたものが存在するでしょう。それを年数回しか視察にこない人間が、適切に指導・助言できるとは思えません。事業費にはこの事業のほとんどの予算は先進地視察旅行費と授業改善推進委員会への委託金になっていました。
この授業改善推進委員会がどのような組織に所属するのか不明です。尼崎市のホームページ等からは調べられませんでした。今後調査しようと思います。

教員を評価しない
この目標指標にあるあまっ子ステップ・アップ調査の結果は公開されていましたの共有しておきます。
この調査結果では成果が出てきたと結論付けられており、最後には「確かな学力を保証しながら、学校園・家庭・地域社会が一体となった教育・学習活動が促進されるよう努めていく。」と書かれていました。
だったら教員たちを評価して報酬に還元させたのでしょうか。さすがにそこまでは公開されていませんが、この事業内で公表してあげてもいいと思いますが・・・せっかく効果があったのであれば。

旅行費や委託金よりも報酬を
前項にて、授業改善の成果があったと報告されたと書きました。であれば教員への報奨金の支給等が、この事業費に組み込まれていてもいいと思います。現に尼崎市には課外クラブ関係事業費にて、部活動で優秀成績を上げた生徒には激励金を配っています。
生徒には結果を出したら激励金を出すのに、教員にはそれがないのあれば、市としての公平性を欠く行政ではないでしょうか。
これでは教員も目標をもって意欲的に授業力向上にはとり組めませんし、生徒と協働・協力してお互いにいい授業を作っていく・取組んでいくことができないと思います。
以前の投稿にてあまっ子ステップ・アップ調査事業費の最後に「目的も不明確な状況で無限に税金を投入することは反対」と書きましたが、この調査結果を生かして、目的である「目指すべき人物像」へ教育するための授業力の改善には、本当に向かっていけるのか疑問がある事業内容でした。


